私たちは生きていると、どうしても心が揺れる瞬間を経験します。

未来への不安や、過去への後悔、思うようにいかない日常…。そんなとき「早く切り替えなきゃ」「ポジティブにならなきゃ」と自分を急かしてしまうことも多いのではないでしょうか。

けれど実は、不安やネガティブな感情を無理に消そうとしなくても大丈夫なのです。

不安は決して悪者ではなく、なくしてはいけないものでもありません。むしろ、不安はまだ開いていない蕾のように「これから開く可能性の姿」でもあるのです。

私たちは成果を急ぎ、人間関係の答えをすぐに求め、未来を確実にしたいと願ってしまいます。けれど蕾を無理にこじ開ければ花びらが傷むように、心もまた急ぎすぎると歪みが生まれます。

仕事での成果も、人とのつながりも、必要なタイミングで訪れます。それを焦って「いま掴まなきゃ」と力をかけるほど、不安や重荷を増やしてしまうのです。

ご先祖の祈りは、そんな私たちに「蕾を信じなさい」と語りかけています。咲くときがくれば花は必ず咲く。その安心して委ねる力が、代々受け継がれてきた知恵なのです。

いのちの器も同じです。

小さな器に無理に水を注げばあふれてしまいますが、時を待てば器は自然に育ち、その人にふさわしい大きさになっていきます。

不安や迷いもまた、器を育てるための養分。闇や影があるからこそ根は深くなり、花は強く咲きます。蕾が花開くように、私たちのいのちの器も時間とともに整い、ちょうどよい形に広がっていくのです。

だから、不安を急いで消さなくても大丈夫。

蕾はそこにあるだけで美しく、やがて自然に開いていく。今の不安も、未来へとつながる大切な道の一部なのです。

今日をいききるという祈り

では、不安の真っ只中にいるとき、私たちはどうすればよいのでしょうか。

ご先祖セラピーの視点で言えば、それは「今日をいききる」こと。

私たちが本当にできることは、過去をやり直すことでも、未来を完全に支配することでもありません。できるのは、今日という一日を、どれだけ誠実に生ききるか。それだけです。

けれど人はつい未来に焦り、過去にとらわれます。「もっと早く進まなきゃ」「あのとき違う選択をしていれば」と考えるたびに、今という瞬間から意識が離れてしまう。すると、せっかくの今日の光や風、ご先祖から注がれている祈りを受けとめる器が小さくなってしまうのです。

今日をいききることは、祈りなおすことでもあります。

過去に残された未完の祈りを、今の自分の呼吸と姿勢で受けとめ直す。朝の深呼吸、食事を味わう時間、誰かへの「ありがとう」、眠る前の静かなひととき…。そんな小さな行いが、祈りを今日に生かす実践なのです。

不安を抱えたままでも、やがて心は落ち着いていきます。それは蕾が自然に開き、器がゆっくり広がっていくのと同じ。私たちが今日をいききることで、ご先祖の祈りは癒され、未来の子どもたちへと祈りが受け渡されていきます。

だから、焦らなくても大丈夫。

比べなくても大丈夫。

今日をていねいに生きることが、祈りとなり、未来を整えていくのです。

今夜、静かな時間に、心でそっと伝えてみてください。

「私は今日をいききった」と。その言葉が、あなたのいのちの器をひらき、ご先祖の祈りを未来へと運んでいきます。

編集後記

今回のお手紙は、私自身が不安の中で「蕾」のイメージに助けられた体験から生まれました。

不安はどうしても「なくしたい」と思ってしまうけれど、そうじゃなくて「まだ開いていない花」だと思うと、少し優しく向き合えるんですよね。

お手紙を書きながら「ああ、私も焦って美しい蕾を傷つけてしまっていたな」と改めて気づかされました。

未来を急がなくても、いのちの器はちゃんと育っていく。ご先祖の祈りって、そういう「待つ力」を思い出させてくれるものなんだと思います。

もし、このお手紙を読んで「私もこのままでいいんだ」「ご先祖が見守ってくれているんだ」とちょっと肩の力が抜けたら、とても嬉しいです。

あなたの今日が、どうか安心して過ごせる一日でありますように

また、つぎのお手紙でお会いしましょう。

あなたとあなたの大切な人の人生が愛で満ち溢れるものであり続けますようにとの願いを込めてDESTINYからのお手紙をお届けさせていただいています。

「このテーマについて知りたい」
「こんなサービスがあったらいいな」
「今、こんなことで悩んでいます」

あなたの声をぜひ聴かせていただけませんか?

https://docs.google.com/forms/d/1cmI3soV5IdmhqFvLVkQw0pNYEtJqS07syR2NuVXk0xk/edit