このお手紙の内容は音声でもお届けしています。

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「家族を恨んでしまう気持ちが消えない」そう語る方は少なくありません。

ゆるせない想いは、誰の心にも残ります。

いくら時間がたっても、いくら頭で「もう気にしない」と言い聞かせても、心の奥で疼くものがあります。

私自身も、長いあいだ消えない痛みを抱えていました。

「どうして私ばかりが」と繰り返す想い。

頭でわかっていても、心は固く閉ざされていたのです。

ゆるせなかった想いを、誰かが祈りなおしてくれる

そんな私が気づいたのは「ゆるせなかった想いも、誰かがゆるしなおしてくれる」 ということ。

私の場合、その「誰か」は、息子でした。

私が長年抱えてきた過去を話したとき、彼は静かに言いました。

「お母さんが苦しかったのは、おじいちゃんも苦しかったからなんだね」

その一言で、胸の奥で固まっていた氷が音を立てて溶けていきました。

私が抱えてきた痛みを、彼が祈りに変えてくれたのです。

それは慰めでも説得でもなく、世代を超えた「ゆるしなおし」でした。

ご先祖セラピー。それは祈りを「特別な儀式」から「いつもの習慣」へと変える営みです。

祈りというと、特別な日や場所でだけ行うものだと思われがちです。けれど本来はもっと身近で、日常に根づいているものでした。

朝起きて手を合わせる 食事の前に「いただきます」と言う 眠る前に感謝をつぶやく。そんな小さな習慣が、いのちを整える祈りだったのです。

人は誰もが欠点を抱えています。完璧な「いのちの器」など、どこにもありません。

だからこそ、欠けたいのちの器が祈りを深く受けとめる。ひびが入っているからこそ光が差し込み、新しい気づきが訪れる。欠けているからこそ、人は成長できるのです。

傷ついた経験があるから、人は人に寄り添える。

痛みを抱く心があるからこそ、やさしさが生まれる。そして、そのやさしさが、誰かを支える力に変わっていきます。

多くの医療や心理の場では、近しい人間関係をそのまま扱うことはタブーとされています。けれど、ご先祖セラピーは違います。

私たちが向き合うのは「家族そのもの」ではなく、世代を超えて受け継がれてきた祈りや痛み「いのちの器」 です。

その器は、ときにひび割れ、欠け、歪んでいるかもしれません。

けれど、不完全さがあるからこそ祈りは響き合い、次の世代が「ゆるしなおす道」を開きます。

ある方は、父をどうしても許せないと悩んでいました。

けれど、ご先祖カルテをひもとくと、その父自身も「夢を諦めさせられた痛み」を抱えていたことがわかりました。彼女はこう気づいたのです。

「私の恨みは、父だけではなく、もっと前から続いてきたものだったのかもしれない」と。

許せたわけではありません。けれど、「私だけが不幸だったのではない」と思えた瞬間、心に光が差したのです。

家族を恨む人にこそ届いてほしい

ご先祖セラピーは、特別な人だけが行うものではありません。

日常の中で誰もができる、いのちの器を整える習慣です。

だからこそ、ご先祖セラピーは「家族を恨む人」にこそ届いてほしい。

家族だからこそ生まれた痛みを、家族だからこそ祈りなおすことができる。

その循環を受けとめる器こそ、「いのちの器」なのです。

編集後記

書きながら、あらためて思いました。

人はだれしも「消えない痛み」や「ゆるせない想い」を抱えて生きています。

それを無理に消そうとすると、かえって心は固くなってしまう。

けれど、次の世代の何気ない一言や、日々の小さな祈りの習慣が、ふっとその痛みをやわらげてくれることがあります。

私にとっては息子の言葉がそうでした。

「いのちの器」は欠けていても大丈夫。

むしろ欠けているからこそ、祈りを深く受けとめられるのだと信じています。

このお手紙を読んでくださったあなたの心にも、ほんの少しでもやわらかな光が届きますように。

また、つぎのお手紙でお会いしましょう。

あなたとあなたの大切な人の人生が愛で満ち溢れるものであり続けますようにとの願いを込めてDESTINYからのお手紙をお届けさせていただいています。

「このテーマについて知りたい」
「こんなサービスがあったらいいな」
「今、こんなことで悩んでいます」

あなたの声をぜひ聴かせていただけませんか?

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