「ご先祖セラピー」という言葉を耳にしたとき、過去に向き合い、ルーツをたどりながら心の癒しを促すもの──そんな印象を持つ方も多いかもしれません。
「ご先祖セラピー」とは、仏教、神道、儒教といった東洋思想の要素をベースにしながら、現代心理学や家族療法の知見を組み合わせて体系化されたDESTINY独自のメソッドです。特徴的なのは、特定の宗教やスピリチュアルな信念に依存せず、「ご先祖との関係性」を通して自分自身を見つめ直す実践ができる点です。
具体的には、家系図を作成して歴史をたどったり、生まれ育った土地やルーツを訪ねたりすることで、「自分はどこから来て、どんな記憶を受け継いでいるのか」を客観的に把握します。また、21日間にわたって日常の中でご先祖に祈りや意識を向ける「21日詣り」といったワークもあり、継続的に内面との対話を深めていくことができます。
これらのプロセスを通じて、感情や価値観、思い込みといった「見えない継承」を理解し、今の自分の在り方を選び直していくのが、ご先祖セラピーの目的です。
たしかに、ご先祖という存在を意識することは、歴史や記憶に触れる行為でもあります。しかし、それだけではありません。本質的には、「ご先祖セラピー」は「未来をどう生きる」という問いにもつながっています。
人は誰しも、現在という地点から未来に向かって生きています。
しかし、その現在には、過去からの影響。とくに「無意識下の感情や価値観の継承」が深く関わっていることがあります。
このようなつながりを見つめ直し、より自覚的に「今、ここから」を選び取る。そのためのスタート地点となるのが、「はじまりの風」という考え方です。

「はじまりの風」は、ご先祖セラピーにおける象徴的な概念のひとつです。
これは、仏教や神道、儒教などに共通する「自然の流れ」や「循環の知恵」をもとに、「始まりとは、力まず訪れるもの」という思想に基づいています。
日々の暮らしの中で感じる、ふとした気づき。
──やってみようかなと思ったこと。
──今のままではいけないと感じた瞬間。
それは偶然のようでいて、実は長い時間をかけて心の中で育まれてきた変化の兆しです。
「風に乗るように始める」とは、そのタイミングを逃さず、過去の影響を含めた“いまの自分”ごと受け入れる姿勢を意味しています。
ビジネスや人生において、「始める力」は非常に重要です。
しかし、多くの人が「準備が整ってから動きたい」「自信が持ててから始めたい」と考えます。
それは理にかなっているようで、実は変化に対する「恐れ」の表れでもあります。
ご先祖セラピーでは、この「恐れ」の背景に、家系的に引き継がれてきた制限や信念が潜んでいることがあると考えます。
たとえば、
• 挑戦よりも安定を優先する価値観(親や祖父母が持っていた)
• 家族の中で自分だけが成功することへの無意識の罪悪感
• 「目立つと叩かれる」という代々伝わる社会的防衛
こうした要素が、思考パターンや行動選択に大きな影響を与えていることがあります。
では、なぜ「風」という言葉を使うのでしょうか?
風は、見ることができません。でも、感じることはできる。
つまり「風に乗る」とは、明確な保証や確証がなくても、自分の内側の感覚や直感を信じること。
ご先祖とのつながりも同様です。
彼らの声を「聞く」ことはできなくても、日々の選択の中に、その影響は確かに息づいています。
たとえば、何か新しいことを始めたいと思ったとき──
過去の誰かもまた、似たような場面で悩み、決断していたかもしれません。
そして今、あなたに「始めていいよ」と風を送ってくれているのが、まさにそのご先祖の記憶かもしれないのです。

ビジネスにおいても、私生活においても、私たちは「個人」という単位で物事を考えがちです。
しかし、心理学・家族療法・東洋思想の視点を取り入れると、私たちは常に「家系的背景」や「集合的無意識」の中で意思決定しているともいえます。
ご先祖セラピーでは、そうした背景を以下のような手法で可視化し、整理していきます。
1. 家系図を通じた「価値観のマッピング」
2. 産土旅(出生地・ルーツの再訪)による身体感覚の再接続
3. 21日詣りなど、儀式的な繰り返しによる思考と感情の整理
これらは一見スピリチュアルに思えるかもしれませんが、実際には非常に「思考の整理」「感情の浄化」「選択の再構築」に役立つメソッドです。
「はじまりの風」は、目に見える手順や理論の外側にある「動機」そのものです。
だからこそ、言語化が難しい一方で、人生の大きな変化には必ずこの風が吹いています。
ご先祖セラピーを通してその風を感じ取る力を養うことは、
結果的に「自分の人生を自分の手で舵取りする力」にもつながっていくのです。
今、もしあなたの中に「何かを始めたい」という気持ちが少しでもあるなら、
それは偶然ではなく、必然として訪れている「風」かもしれません。
その風を感じること。
それに素直に乗ってみること。
その一歩が、人生を大きく変える最初のアクションになるはずです。
最後に
「始めていい」という許可を、自分自身に与えてあげること。
それが、今を生きる私たちにとって、最も本質的なスタートラインなのです。

【編集後記】
「今ここから始めていい」
この言葉は、ご先祖セラピーの中でも最もシンプルで、最も深いメッセージのひとつかもしれません。
私たちは「始めること」よりも、「始める前に抱える不安や迷い」によって立ち止まってしまうことが多々あります。
でも、その背景には、自分自身のものだけでない「受け継がれてきた感情」や「無意識のパターン」が影響していることも少なくありません。
ご先祖セラピーは、そうした「目に見えない影響」に気づき、過去に敬意を払いながら、「今の自分」としての選択を取り戻すためのプロセスです。
このお手紙を読んでくださったあなたにとって、ご自身の歩みを見つめ直すひとつのきっかけとなれば幸いです。
引き続き、DESTINY BLOGでは「家系」「感情」「関係性」「人生の選択」などをテーマに、現代的かつ実用的な視点から「ご先祖セラピー」を掘り下げてまいります。
また次回、お会いできるのを楽しみにしています。

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